ダ・ルチザンのルーツ、パリを巡る旅。
フランス語で「職人工房」を意味するステュディオ・ダ・ルチザン。パリで修行を積んだ初代デザイナーが、「ヨーロッパ的クラフトマンシップ」と「日本の職人精神」を合わせ持つブランドでありたいと願い命名した名前です。
そんなステュディオ・ダ・ルチザンにとって大切な場所でありルーツとも言えるパリの街を、創業時から現在に至るまで守り抜かれるダ・ルチザンの原点「DO-1」と共に巡りました。
ヨーロッパの中でも長い歴史を有するフランスの首都パリは、皆さんもご存知の通り芸術、ファッション、食に至るまで、たくさんの文化が花開く街であり、世界中から多くのクリエイターが集まる刺激的な場所です。
今から40年以上前、この街で培われたクラフトマンシップが、後に日本で「ジャパンデニム」という新たなファッションの潮流を生み出し、今やその波が世界のデニムシーンをリードしているという事実は大変興味深く、「凱旋」と呼ぶにふさわしい浪漫がそこにはあります。
原点にして金字塔「DO-1」
1980年代の大量生産の時代に一石を投じ、20年以上たった今もなおその形を変えることなく作り続けられている「DO-1」は、日本で初めて生まれたセルビッチ(耳)のついたヴィンテージ仕様のジーンズであることから、「レプリカジーンズの原点」として語られることが多いモデルです。
しかし、そのディテールは今現在「レプリカジーンズ」と呼ばれるアメリカのヴィンテージジーンズをモチーフとした多くのジーンズとは違い、ヴィンテージの「フレンチワークパンツ」をベースとしたパターンをアメリカ的な「5ポケット」ジーンズに落とし込んでいるという点が、実に独創的であるからこそ、いつの時代でも唯一無二の魅力を放つプロダクトとして存在してきました。
フレンチワークパンツ譲りのそのシルエットは、太いながらも野暮ったくなく、むしろワークパンツ特有のチャーミングさが際立っています。
様式は違えど日本にも通じる歴史と気品ある町並みに、昔ながらのワークパンツのシルエットが良く馴染み、あらためてこのパンツの完成度と個性の強さを感じます。
フレンチワーク譲りの個性的なシルエットも然ることながら、DO-1が他のレプリカジーンズと一線を画している大きな特徴が「天然藍(インド藍)」によって染められたデニム生地であるという点。
インディゴ染めの主流である「合成インディゴ」以前の、ジーンズ最初期の「青さ」を現代に再現するべく、「天然藍」によるジーンズ作りを徹底しています。
24回に渡り、手間隙を惜しまず繰り返し染め上げられた「天然藍」によるデニムは、独特な青を湛え、穿きこんでいくとさらに鮮やかな青に仕上がっていくのが魅力です。
創業以来ダルチザンが守り続けた、ダルチザンの原点にして、レプリカジーンズの金字塔。
ヴィンテージのフレンチワークパンツのパターンをアメリカ的な「5ポケット」ジーンズに落とし込んだ唯一無二の洗練されたデザインは、発売より30年近く経つ今もなお全く色褪せることのない魅力を放っています。